水を飲めば潤う? 一度立ち止まって考えてみる
「体に潤いがないときは、水を飲めばいいんですか?」
このような質問を時々いただきます。
体の約60%は水分で、
確かに水を取らなければ生命維持はできません。
脱水になれば、喉の渇き・めまい・
吐き気・痙攣など様々なサインも出ます。
ですが、
“潤い=水を飲めば解決” というわけではありません。
体の潤いは“水だけ”では作れない理由
飲んだ水がそのまま体液になるわけではありません。
体内の潤いをつくるには、
水分+体液の材料になる栄養素
この両方が必要です。
私たちは飲み物だけでなく、
日々の食事からも水分と栄養を補っています。
だからこそ、ただ水を飲むだけでは
お肌の乾燥が改善しにくい、という現象が起こります。
薬膳でいう“陰液”とは「血+津液」のこと
薬膳では体の潤いを支えるものを 「陰液(いんえき)」 と呼びます。
陰液=血+津液(血以外の体の必要な水分)
陰液がしっかり満ちていることで、
お肌・粘膜・髪・内臓のしっとり感が保たれます。
つまり、潤い不足とは
=陰液不足(血と津液の材料不足)
ということなのです。
秋冬は特に“陰液(血+津液)”が不足しやすい
乾燥が進む季節は、陰液を消耗しやすい時期。
外側の保湿ケアだけでは追いつかないこともあります。
薬膳では、次のような食材が陰液の材料になります。
梨、白木耳、百合根、山芋、枸杞など
これらを少しずつ食事に取り入れることで、
体の中で“自分の潤い”を育てる力が高まります。
日常に立ち返ると、体の仕組みがもっと理解できる
今回のような質問は、
「知識」と「日常」が
まだ結びついていないところから生まれます。
そんな時はぜひ、
日常的な視点に戻って問いかけてみてください。
「水を飲んだら、それがそのまま体液になる?」
「じゃあ体液の材料って何だろう?」
こうやって考える習慣を持つと、
知識が“自分の体感”とつながり、
理解が深まっていきます。
内側の潤いづくりで、秋冬の乾燥に負けない体へ
これから乾燥が強まる季節。
外側のクリームなども大切ですが、
内側で“陰液(血+津液)を満たすこと”が
何よりの乾燥対策になります。
今日もあなたの体と心がしっとり整いますように🌿
























